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ロシア政府によるウクライナ侵攻に抗議し、命の尊厳が守られる国際社会を求める声明

 

 ロシア政府は2月24日、ウクライナの東部地域にロシア軍を侵入させ、ウクライナ各地の軍事施設やキエフ、オデッサなどへの攻撃を開始しました。同日、プーチン大統領はテレビ演説で「ソ連崩壊で多くのものを失ったが、現代のロシアは世界で最も強力な核保有国の一つ」、「我が国を攻撃すれば、壊滅し、悲惨な結果になることに疑いない」と発言しました。

 私たちは、かけがえのない命を無差別に奪う武力侵攻を続けるロシア軍に対し、即刻、軍事行動を中止しウクライナ領から撤退することを求めます。また、核の脅威により他国を威嚇することは、これを禁ずる核兵器禁止条約が発効され1年が経つ現在の国際社会において決して容認できない行為であり、強く抗議します。

 医学連の規約では本組織の目的のひとつとして、「平和と民主主義を擁護する」ことを掲げています。平和と民主主義が無視された場所では、人々の健康は守られません。ロシア軍による軍事侵攻は、ウクライナに住む人々を直接的に死亡・負傷させているだけでなく、医療施設や生活基盤の破壊も行われており、こうした面でも健康上のリスクを増大させています。人々の命を守るべき医療施設が命を危険にさらす場になり得ることに、私たち医学生は強く憤りを感じています。特に、原子力発電所に対する攻撃は大量の放射性物質の飛散により長期的に健康と暮らしを蝕む危険性をはらむ行為です。更にはロシアに住む人々にとっても、言論や表現の自由が奪われ、経済活動が縮小され、生活や健康に影響が及んでいます。

 現在の国際社会においては、民主主義と対話によって問題解決を図ることが強く求められているにも関わらず、武力的な手段での問題解決を強行し、このような惨状を引き起こしているロシア指導者の姿勢は、決して容認することはできません。

 人々の健康を守ることを志し勉学や実習に励んでいる私たち医学生にとって、今回の侵攻によりウクライナにもたらされた惨禍は看過できないものであり、平和の回復を望む世界中の人々の願いに共感し、声を上げる人々に賛同します。そして、武力侵攻に対して武力制裁をすることで軍事対立を深めるのではなく、日本政府をはじめとした周辺国・関係国が協力して二国間の対等な和平交渉を促進し、平和的手段によってこの侵攻の解決が行われることを強く望みます。

 医学連は、全国の医学生に、健康の基盤である平和について学び、語り合うことを呼びかけます。そして、命の尊厳が守られる国際社会の実現に向け国内外の人々と協調し歩むことを決意します。

 

2022年3月20日

全日本医学生自治会連合

第39回定期全国大会 特別決議

 

 

特別決議のPDF版はこちら

 

 

 

 

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