学費値上げに対する緊急声明
全日本医学生自治会連合(以下、医学連)は、全国の医学部自治会の連合体として、全国民の利益に基づき、医学生の利益を守るために活動しています。
学費値上げに関わる問題として、去る9月24日、東京大学は授業料を現行の年額53万5800円から20%値上げし、国の定める上限の64万2960円とすることを正式に決定しました。昨今、国立大の経営環境が厳しさを増す中、影響力の大きい東京大学が値上げに踏み切ることで、他の国立大が追随する可能性も考えられます。
日本国憲法では第26条に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定められており、教育を受ける権利が基本的人権として保障されています。また、教育基本法の第4条には「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」と定められており、教育の機会均等が保障されています。これらを踏まえると、経済的理由により高等教育を受けることが阻害される学費値上げの動きは、憲法や法律の趣旨に反するものと考えられます。また、日本が批准する国際人権A規約の13条2項c(2012年に留保撤回)に定められた高等教育の漸進的な無償化に逆行する動きであるとも考えられます。
医学連はこれまでも、学費の値上げに反対の立場をとり、省庁に対し高等教育の無償化に向けた要請を行うなどの活動を継続してまいりました。この度の東京大学の授業料値上げの決定を受け、その決定及びすべての大学の授業料値上げの動きに対し、医学連は抗議し、ここに改めて反対の意を表明します。
2024年10月31日
全日本医学生自治会連合
第41期中央執行委員会
PDFはこちら→学費値上げに対する緊急声明