コロナ対策本部 方針
2020年11月10日
全日本医学生自治会連合 第37期中央執行委員会
医学連第中央執行委員会は、この間、新型コロナウイルスの感染拡大に対して、全国の医学生の生活と学びの機会を守るために活動してきました。5月には緊急声明を発表し、各大学をはじめ、社会全体に必要な対策を訴えてきました。半年がたった今でも、状況は安心できるものには変わっておらず、引き続き様々な課題に取り組んでいく必要があります。緊急声明で発表した方針を引き継ぐとともに、今後必要となってくる視点をまとめ、新たな方針としました。医学連は、この方針をもとに、全医学生の学ぶ環境を向上させるために尽力し、各地での自治活動を推進していきます。
【A. 経済状況】学生に対してさらなる経済的支援が必要
A-1. 対面授業や臨床実習の再開に伴い、学生にアルバイトの禁止を求める場合は、学生の収入を制限することのないよう、大学・国の責任で十分にその補償を行うこと。
A-2. 学生の生活を支援するため、国・大学による追加の経済支援策を実施すること。
A-3. 今年度及び来年度の授業料納入について、経済的に困窮する学生に対して一時停止・猶予されること。
【B. カリキュラム、講義・試験・実習】柔軟な対応とともに学びの保障を
B-1. オンライン併用型の授業を進めつつ、学生と教員、学生同士のコミュニケーションが十分に保障されるよう、対面授業の機会も保障していくこと。
B-2. オンライン授業を行う際には、「配布資料のみで理解が十分でない」などの学生の抱える学修上の不安に寄り添いつつ、質の担保のために十分な方法で進めていくこと。
B-3. カリキュラムや講義形式の変更を行うにあたっては、学生の声を聞く機会を設け、最大限取り入れるとともに、それが十分なものであるか学生からのフィードバックを行うこと。
B-4. カリキュラム上の基礎実習・臨床実習の機会については、感染対策とともに十分に保障されること。
B-5. 臨床実習を実施する、あるいは、制限する際の対策基準を国の責任で示すとともに、各大学が学生へ十分に説明し、意見を取り入れながら対応していくこと。
B-6. コロナウイルス感染やオンライン授業への不十分な対応など、学業上の正当な評価がない形での留年の決定は絶対に行わないこと。
B-7. 共用実技試験(OSCE)と国家試験について、全国の医学生が必要な知識・技能を身に付けられるよう、実施方法について対策を示すこと。
【C. 学生生活全般】全学生の生活を全面的に守る対策を
C-1. 病院見学や長期休暇など、学生が県外移動する際に、実習や講義などの学修機会が必要以上に制限されることがないよう、柔軟な対応方法を学生とともに考えること。
C-2. 新入生への支援について、学修、同学年・他学年との交流の機会、サークル活動、経済的支援、メンタルケアなど全ての面において重点的かつ積極的に行うこと。
C-3. 学生のメンタルケアについては、一人ひとりの状況に合わせた支援を行うために、相談窓口を設けるだけに留まらず積極的な支援を進めること。また、人とのつながりを十分に確保できるよう交流できる環境づくりを行うこと。
C-4. 図書館の書籍の利用や PC ルームの使用、教科書の購入など、大学の施設利用については、感染対策を行いつつ、学生が十分にアクセスできるようにすること。
C-5. 医学生に対し、新型コロナウイルスに関連した脅し・ハラスメント行為は許されない。また、感染者ならびに医療従事者に対する差別的言動には断固反対する。
C-6. コロナウイルスに感染してしまった学生を含め、全ての学生の命、健康、人権を守る体制を国・大学の責任でつくること。