医学連は、2019年12月22日(日)に「授業料減免制度の範囲縮小と学費値上げに関する問題について全国の医学生へのアンケート調査結果と緊急声明の報告 及び 記者会見」として記者会見を開きました。
各社メディアや参加した学生、社会全体へ医学連の取り組みについて発信することができました。
記者会見の内容について報告します。
1、医学連役員からの説明
まず、委員長を務める河内から、発表した緊急声明について、アンケートから経済的支援が必要だという声を拾い上げて発表したこと、新制度によって国公立大学で被害を受ける学生がいるということ(世論を受けて文科省が在学生へ支援継続を発表したこと)、値上げが続いていること、について説明しました。
続いて、書記長を務める伊東からアンケートについての補足説明を行いました。データの中では、進学にあたって学費のことを気にした学生が多いこと、特に奨学金を借りた学生ではその割合が増加するということを明らかにしました。また、仕送りの少ない中で生活や趣味を削っている点などについて説明し、具体的な記述から学生の過酷な実態について告発しました。
その後、医学連役員を務める田村より情勢について報告しました。年齢を基準とした新制度によって、多浪・再受験・学士が排除される懸念があり、学びの場としての大学の立場が崩れると述べました。値上げを発表している大学が続いていることに関して、低所得世帯への支援が広がったとしても学生間に分断を生むことから、学費値下げの立場に立つことを表明しました。そして、こうした情勢に対して各地で学生の活動が活発化していることを紹介しました。
2、各地学生からの報告
続いて、各大学の取り組みとして2人にお話ししてもらいました。
弘前大学医学部学生自治会長である、久下さんからは学部内でアンケートを行い、大学側にも要請したことを報告しました。アンケートの中では、新制度の具体的な内容についての周知がなされていないことなどについて紹介し、学生の声を伝えました。また、新入生への支援継続や医学部に多い留年生を学業基準として排除しないこと、相対評価ではなく絶対評価を行ってほしいことなどについて、今後要請していきたいと表明しました。
滋賀医科大学から、学士編入で入学した浅野さんがこれまでの活動を報告しました。滋賀医科大学では学士編入者の有志で署名を集め、学長や県議会議員への要請や県庁で記者会見を開いて訴えたことについて紹介しました。また、今回、在学生への支援が継続されることが発表されたことを受けて、今後は後輩たちにも今の水準で支援が届くように求めたいと述べました。文科省に宛てた滋賀医科大学の署名を医学連役員に手渡し、文科省へ届けてもらうよう要請しました。